叢書「鉄鋼技術の流れ」第二シリーズ全12巻の刊行案内


 本会育成委員会叢書WGで企画・編集した叢書「鉄鋼技術の流れ」第一シリーズ全10巻は、1999年2月に全巻が刊行致しました。これは鉄鋼協会が保有する知的財を歴史的に展望し、講義ノート的に各分野の権威者が個人執筆したもので、技術開発の流れが的確に記述されています。自主技術の開発を目指す諸氏にとっては、このような研究の流れから新たな発想が生まれるものであり、きわめて貴重な叢書です。第一シリーズに続き第二シリーズを1999年末から2002年に掛けて下記の内容で発行いたしました。

叢書「鉄鋼技術の流れ」の特徴

技術の流れについての歴史的展望を土台に!

 技術がいかなる背景で発生し、どのように展開し、どのような流れを作ってきたかという、通時的視点をもって構成されています。

執筆者は斯界の権威者から人選!

 執筆者には、自らの意見で題材を取捨、選択、評価、構成のできる個人を選び、内容の一切をその人の識見に委ねています。

歴史的な知的財を資料に!

 基本的には、「鉄と鋼」(もしくはそれに準ずる資料)に掲載された歴史的価値ある総説論文を資料とし、現時点からみた評価を加えています。

鉄鋼科学技術の道標!

 今後の鉄鋼工学の研究および技術の枠組みについて積極的な発言をするための基礎が整備されており、鉄鋼科学技術の道標として第一級の知的財となることを狙いとしています。

本会での購入方法:

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叢書「鉄鋼技術の流れ」第二シリーズ全12巻一覧

テーマ

執筆者

発刊日

焼結鉱

稲角 忠弘(元新日本製鐵)

既刊(2000年 9月)

底吹き転炉法

野崎 努(元川崎製鉄)(完売)

既刊(2000年 2月)

電気炉製鋼法

森井 廉(大同特殊鋼)(完売)

既刊(2000年 5月)

薄鋼板製造技術

阿部 光延(新日本製鉄)(完売)

既刊(2000年 2月)

鋼管の製造法

林 千博(住友金属工業)
(完売)

既刊(2000年10月)

ステンレス鋼

遅沢 浩一郎(元日本冶金工業)

既刊(2000年 6月)

機械構造用鋼

渡辺 敏幸(大同特殊鋼)

既刊(2001年 3月)

工具鋼

清永 欣吾(元日立金属)

既刊(2000年 3月)

軸受用鋼

瀬戸 浩蔵(元山陽特殊製鋼)

既刊(1999年12月)

10

超耐熱合金を中心としたオーステナイト系耐熱合金鋼

渡辺 力蔵(元日立金属)

既刊(2000年 2月)

11

棒鋼・線材圧延

稲守 宏夫(大同特殊鋼)
市田 豊(神戸製鋼所)

既刊(2001年 5月)

12

石炭・コークス

坂輪 光弘(高知工科大)
古牧 育男(北九州市立大)
山口 一良(元新日本製鉄)

既刊(2002年12月)

既刊・販売中

第1巻 「焼結鉱−資源少国日本の挑戦の記録−」

 稲角 忠弘 著(元新日本製鐵) 

2000年9月発行 定価4,200円 (会員価格 3,500円)

 資源少国の日本が独自に工夫した「原料の確保と原料利用方法」について述べ、これらの軸となった焼結鉱技術を解説した。伝統的な高炉原料であった塊鉱石から、廉価な粉鉱を活用する高品質焼結鉱に転換したことにより高効率の高炉操業を達成した経緯と、それを可能にした焼結鉱製造の技術内容、それ以後の需要増大に応える経済的な大量生産技術の確立と、世界を先導した環境改善・省エネルギ−技術、さらに生産効率・歩留の改革や廉価な難焼結原料の利用拡大を可能にした新技術の開発までの技術の流れを紹介した。焼結鉱の生産は、経験をもとにして発展してきただけに、本書では、極力、焼結技術の理論面の研究成果も紹介するように努めた。    

 (A5判299頁)

第2巻 「底吹き転炉法−その導入から攪拌効果の解明そして上底吹きへ−」(完売)

野崎 努 著(元川崎製鉄)

2000年2月発行 定価4,200円 (会員価格 3,500円)

 川鉄で何故底吹き転炉(Q-BOP)を導入する気運が持ち上がったか?この背景を調べ、高度成長期で鉄鋼界も大量生産指向で進んできたが、oil crisis による生産飽和で技術指向に転ずる必要が有ったこと。底吹き転炉が何故魅力的であったか。水モデル、冶金反応から見直し、攪拌の定量化と上吹き転炉との比較を明確にするために選択酸化指数の導出を述べる。底吹き攪拌は、完全底吹きの必要はなく、一挙に上吹き転炉が炉底からのガス攪拌を導入し、上底吹き転炉が開花する。更に、溶銑予備処理法の開発や溶融還元、ステンレス鋼の溶製では還元と酸化をうまく活用する方法の開発につながった経緯について詳述する。

(A5判276頁)

第3巻 「電気炉製鋼法−高能率、低電力比、高品質への挑戦−」(完売)

森井 廉(大同特殊鋼)

 1960年代、転炉法が平炉法にとって代わるのと期を同じくして、わが国の電気炉(アーク炉)製鋼法も急速に発展した。以後、現在に至る間に、全粗鋼に占める電気炉鋼比率は約2倍、電気炉時間あたり生産量は約5倍、トンあたり溶解電力消費量は、約2/3というような進歩をみた。本書では、この近年約30ケ年における電気製鋼技術の進歩について、電気炉技術全般の原理原則、革新技術の発芽と発展、その技術を側面から支持した周辺技術との係り、当時の現場技術者の思想などをもとに著述する。

(A5判284頁)

第4巻 「薄鋼板製造法−その発展と製品の多様化−」(完売)

阿部 光延(新日本製鐵)

2000年2月発行 定価4,200円 (会員価格 3,500円)

 わが国における薄鋼板の歴史は、官営八幡製鉄所の熱延鋼板製造にはじまる。その後、溶融亜鉛めっき鋼板やぶりき、そして冷延鋼板が国内各社によっても製造されるようになり、太平洋戦争前後以降のストリップミルや電気めっきラインなどの導入を経て、高度成長期には冷延鋼板の連続焼鈍をはじめとする多くの革新的生産技術が国内で開発実用化されている。その間、需要動向のさまざまな変化に応えるための超深絞り用鋼板や良加工性高強度鋼板、あるいは各種表面処理鋼板などの製造品種多様化が進んだ、この100年に及ぶ薄鋼板の歴史と、その技術思想の変遷をふりかえってみた。

(A5判262頁)

第5巻 「鋼管の製造法−今こそ鋼管技術最期のルネッサンスを−」 (完売)

林 千博(住友金属工業)

 プレスロール穿孔法に続いて交叉穿孔法、高交叉角拡管穿孔法が開発、実用化され穿孔技術が一変した。マンネスマン・プラグミル工程ではダブルピアシングのシングルピアシング化が可能となり、マンネスマン・マンドレルミル工程では少数スタンド化が進んでいる。そしてフルフロート・マンドレルからリテインド・マンドレルミルへの流れは16 3/4インチまでの中径継目無鋼管の製造にまで波及し、マンネスマン・プラグミル工程は既に過去のプロセスになりつつある。また、マイクロエレクトロニクス特に半導体技術の革新は主機電動機の交流可変速制御を可能とし、電動機制御の精度の革新によって計算機制御の精度は格段に向上した。ERWの分野ではケージミル化による段取り替え時間の短縮と高周波誘導溶接法の適用拡大による品質の向上がはかられ、SAWの分野、特にラインパイプの製造は清浄鋼の製鋼技術と厚板の制御圧延、制御冷却技術の進歩、発展を促した。ここ半世紀の技術革新の流れを鉄鋼協会の所有する知的財産をベースに解説した。

(A5判420頁)

第6巻 「ステンレス鋼 −耐食用途鋼の発展−」

遅沢 浩一郎(元日本冶金)

2000年6月発行 定価3,600円 (会員価格 3,000円)

 1912〜14年にステンレス鋼が欧州についで米国で発明され、わが国では欧米からの技術の導入および研究を経て、1933年から本格的生産が開始された。わが国のステンレス鋼の本格的発展は1945年以降で、はじめは欧米の既存ステンレス鋼の製造・研究が主体であったが、1960年代以降は高度成長に伴いステンレス鋼の需要分野が広がるにつれ、わが国独自のステンレス鋼が多く開発された。そこで、各時代の要望に応じて開発されたステンレス鋼に関する研究および開発経緯を、各用途分野ごとに説明する。 

(A5判197頁)

第7巻 「機械構造用鋼 −ファインスチールの進歩−」

渡辺 敏幸(大同特殊鋼)

2001年 3月発行 定価3,600円 (会員価格 3,000円)

 自動車用などに大量に使用されている機械構造用鋼の技術発展の歴史は、高強度化、高性能化、高信頼化であった。省エネルギーや環境負荷低減をめざした部品の小型軽量化を支える高強度化は低コスト化と並んで将来とも常に追求される課題である。信頼性向上や加工技術進歩にともなう要求材料特性の変化や向上度も、また著しい。これらの技術進歩を鋼材製造技術(溶解精錬、圧延、品質保証など)と鋼材の品質・特性という観点から詳しく記述する。また、各鋼種毎に、トピックス的な材質特性向上とその結果得られた能率向上、製品寿命の増大なども紹介する。

(A5判200頁)

第8巻 「工具鋼−わが国の産業基盤を支えた工具鋼発展の歴史−」

清永 欣吾(元日立金属)

2000年3月発行 定価3,600円 (会員価格 3,000円)

 工具鋼は、鋼のうちで最も古い歴史を持つ。それは武器、刃物、農工具、鍛冶工具などとして用いられたが、産業の進歩にしたがい各種の工具が発達し、同時に用途に適する種々の工具鋼が発明、開発された。しかし、それらが真に実用化し開花したのは概ね20世紀になってからである。日本では明治維新後、輸入工具鋼が主流を占め、国産工具鋼の真の発展は第2次大戦後になってからである。本書では、まず工具鋼の歴史を概観した後、高速度工具鋼、冷間金型用鋼、熱間金型用鋼、プラスチック金型用鋼を中心に、工業の進歩に応じた需要の変化、それに対応する鋼種開発、製造法の進歩の流れについて述べる。

(A5判218頁)

第9巻 「軸受用鋼−20世紀に生まれ、そして翔いた軸受用鋼−」

瀬戸 浩蔵(元山陽特殊製鋼)

1999年12月発行 定価3,600円 (会員価格 3,000円)

 20世紀の初頭に生まれた軸受用鋼が、この世紀中に如何に進歩発展を遂げ今日に至ったかを著述した。まず、全体像を把握するため、第1章に於いて軸受用鋼の誕生に至るまでの経緯と種類を、第2章に於いてわが国における発展の推移を特徴的な技術の進展に沿って萌芽期(戦前・戦中)、揺籃期(戦後)、発展期(脱ガスの開始)、成熟期(連鋳から今日まで)に区分して概説した。続いて、第10章までにそれぞれの時期に於いて進歩発展に大きく寄与した主な研究成果をその課題ごとに詳述した。取り上げた課題は、炭化物と熱処理、強度、非金属介在物と高清浄度鋼、転がり疲労寿命などであり、その研究成果を歴史の流れに沿って順次記述したものである。

(A5判208頁)

第10巻 「超耐熱合金を中心としたオーステナイト系耐熱合金−プロセス開発と合金設計の螺旋的発展−」

渡辺 力蔵(元日立金属)

2000年2月発行 定価3,600円 (会員価格 3,000円)

 オーステナイト系耐熱合金は、フェライト系耐熱鋼と共に耐熱材料分野を2分する合金系であり、500〜600℃の競合領域をはさんで低温側ではフェライト系耐熱鋼、高温側ではオーステナイト系耐熱合金が使われる。本書では、第一シリーズの「フェライト系耐熱鋼」を補完する。耐熱材料技術の流れの解説書としてオーステナイト系耐熱合金の中心的材料である超耐熱合金を主体に解説する。超耐熱合金においては日本人の貢献もあって早くから合金設計手法が発達した。また、超耐熱合金の進歩は製造プロセスの発展との相互作用によるところが大きい。本書では、合金設計手法やプロセスの発展とも関連させながら用途別に合金の進歩を概説する。

(A5判196頁)

第11巻 「棒鋼・線材圧延−日本式棒線ミルの誕生と発展−」

稲守 宏夫(大同) 市田 豊(神鋼)

2001年 5月発行 定価4,200円 (会員価格 3,500円)

 棒鋼・線材の主流となった圧延技術について、設備レイアウトを中心にその背景、動機、過程、周辺技術との関連、成果について記述する。また、棒鋼・線材に関する圧延理論についても、簡単に解説し、最近開発された特殊な圧延技術についても紹介する。棒鋼・線材の圧延品質については、主な品質項目に関して、製造者側の造り込み技術、設備対応事例について触れる。全体を通して、棒鋼・線材共通項目と棒鋼もしくは線材に特有な項目とに分類し、重複もなく判りやすい編集とする。

(A5判247頁)

第12巻 「石炭・コークス」

坂輪 光弘(高知工科大)古牧 育男(北九州市立大)山口 良一(元新日本製鐵)

2002年12月発行 定価4,200円 (会員価格 3,500円)

 我が国における、戦後の復興期、高度成長期、安定成熟期を通じて、鉄鋼業における石炭とコークスに関する技術の創出、発展、成熟という歴史の流れを概説する。具体的には、石炭資源論、石炭の基礎物性・熱分解反応、石炭配合理論、石炭事前処理技術、コ−クス製造技術、高炉操業におけるコークスの役割と挙動に関して、それぞれの技術開発の流れと今後の課題を述べ、自主開発を目指す技術者・研究者の参考に資する。  

(A5判266頁)


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