材料の組織と特性部会
2026年度新規発足「自主フォーラム」参加のご案内

 材料の組織と特性部会では、本部会で対象とする分野の中から重要と思われるいくつかのテーマを取り上げ、その分野の研究の活性化を図るために自主フォーラムを設置しております。

2026年度は新たに5つの自主フォーラムを設置いたします。活動期間は、2026年3月1日から2028年2月末日までの2年とし、特に活動の継続を必要とする場合には更新することもあります。また自主フォーラムには運営費が配分されます。

 下記自主フォーラムへの参加を希望される本部会登録会員は、(1)氏名(2)所属(3)電話番号(4)電子メールを明記の上、下記の世話人へ直接ご連絡下さい。
 
1. 「鉄鋼材料の変形・再結晶・変態集合組織」自主フォーラム
趣旨:集合組織は塑性変形、再結晶、変態という微細組織形成において重要な各現象によって変化する。これは集合組織ないし局所的な結晶方位の観察が、これらの現象の機構の解明に有用であることを示している。いわゆる加工熱処理だけでなく、塑性変形と熱を利用した固相接合現象の理解にも同様のアプローチが可能である。また、電磁鋼板や深絞り用鋼板に代表されるように、集合組織の制御それ自体が材料性質の制御に直結する分野もある。
本自主フォーラムの目的は、将来的な共同研究や著しい技術の発展を期して、鉄鋼分野における産学の基礎知見、研究動向、解析技術の共有を行う場を設けることである。年数回のオンラインを併用した勉強会の開催によって、2026年現在の技術をもって何ができるのか、またこれまでの未解決事項はどんなことであるのかを整理し、理解を深める。


世話人(代表者):小貫祐介(東京電機大学)
E-mail: yonuki@mail.dendai.ac.jp
 
2. 「持続可能社会へと導く高機能ステンレス鋼」自主フォーラム
趣旨: 今般、持続可能な社会を目指すため、二酸化炭素排出量削減、省エネルギー、新エネルギー、資源有効利用等に係る種々技術開発がなされている。耐食性や耐久性に優れるステンレス鋼は様々な用途に使用され、これまで自主フォーラムで取り組んできた強度や腐食に係る研究開発に加えて、さらなる高機能化・多機能化が求められていた。そこで、2024~25年度は「持続可能社会へと導くステンレスの高機能化」と題して、ステンレス鋼における様々な技術課題に取り組み、大学、企業の垣根を越えた情報交換、技術討論を通じて、持続可能社会の実現に向けてステンレス鋼の特徴や持続可能な社会につながる高機能化事例について共有してきた。
そこで2026年度は「持続可能社会へと導く高機能ステンレス鋼」と題して、持続可能社会へと導くステンレス鋼の更なる可能性を大学、企業で連携して(認識共有化する、見出してゆく、など)ことで、ステンレス鋼が持続可能な社会の実現に貢献することを目的とする。


世話人(代表者):多田英司(東京科学大学)
E-mail: tada.e.6703@m.isct.ac.jp
 
3. 「転動疲労特性の高度化に資する表層機能設計」自主フォーラム
趣旨: 自動車の電動化や産業機械の高効率化、小型・高出力化に伴い、歯車、軸受等の鉄鋼製転動機械要素には、これまで以上に高い転動疲労特性が求められている。転動疲労特性の高度化には、母材の強度や靭性のみならず、表層近傍に形成される微細組織、残留オーステナイト、非金属介在物、残留応力、さらには潤滑油分子や添加剤による吸着膜・反応膜など、多様な「表層機能」を適切に設計することが不可欠である。しかしながら現状では、鉄鋼材料学、熱処理・表面処理、トライボロジー、転動要素設計、数値シミュレーションといった分野が個別に議論されることが多く、転動疲労特性の高度化に資する表層機能設計を分野横断的に議論する場は十分とは言えない状況にある。
本自主フォーラムでは、表層の組織・欠陥・残留応力と転動疲労損傷挙動との関係、表面改質や圧縮残留応力導入などの処理プロセス設計、潤滑油分子や添加剤による吸着膜・反応膜の形成機構、その場観察や高分解能解析技術、マルチスケールシミュレーションに基づくメカニズム解析などを主要テーマとして取り上げる。産学の研究者・技術者が分野横断的に知見を持ち寄り、共通の用語・評価指標を整理しながら議論することで、将来的な表層機能設計指針の構築につなげることを目的とする。さらに、本自主フォーラムで形成される学術的基盤と人的ネットワークは、高信頼性鋼や高耐久駆動要素を対象とした大型プロジェクト等への展開を図る上でも重要な役割を果たし得る。継続的な情報交換と共同研究の芽を育てる本自主フォーラムの設置は、表層機能設計に基づく転動疲労特性高度化の研究を一層促進し、我が国の鉄鋼材料および転動機械要素の国際競争力向上に大きく貢献すると考える。


世話人(代表者):戸髙義一(豊橋技術科学大学)
E-mail: todaka@me.tut.ac.jp
 
4. 「スマート循環型社会におけるチタン材料」自主フォーラム
趣旨: 循環型社会構築、人工知能を活用した材料設計・創製に関わる技術開発や研究展開について議論することにより、チタンおよびその合金の新たな可能性を探索する。

世話人(代表者):御手洗容子(東京大学)
E-mail: MITARAI.Yoko@edu.k.u-tokyo.ac.jp
 
5. 「環境適応型材料表面の科学と応用」自主フォーラム
趣旨: 前身の研究会Ⅰおよび自主フォーラムでは、観察技術や遺伝子解析を基盤とした学際的手法により、微生物腐食(MIC)の発生・進展機構を材料学の視点から解明してきた。材料組織・合金元素と微生物群集構造や局部腐食挙動の関係、微生物を含む環境下での電位貴化や孔食電位などの電気化学応答を整理し、材料科学と生物学が交差する研究領域を形成してきた。一方、実機環境では湿潤乾燥サイクル、摩耗、化学種吸着、汚れ付着など多様な因子が同時に作用し、材料表面挙動を複雑化させる。
本自主フォーラムでは、これまでのMIC研究で蓄積した知見と研究ネットワークを発展的に継承し、環境因子×材料組織×表面特性の相互作用に着目した環境応答型材料表面の理解を深化させる。金属表面の酸化還元反応、トライボ腐食、微生物付着や防汚・抗菌特性などを対象に、材料設計や腐食リスク評価につながる学理の体系化を図る。さらにシンポジウムや勉強会を通じて研究交流を促進し、材料学に立脚した微生物腐食研究の国際的発信と研究基盤の強化を目指す。


世話人(代表者):宮野泰征(秋田大学)
E-mail: y.miyano@gipc.akita-u.ac.jp

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