第23回鉄鋼工学アドバンストセミナー（鉄鋼工学中堅技術者セミナー）受講者募集案内（申込締切日：2015年6月12日）

■開催案内

本セミナーは10～15年の実務経験を持つ中堅技術者を対象とし、次代の鉄鋼業の担い手を育成することを目的としています。各コースとも、他社の技術者とのディスカッションを主体に、既得の知識を存分に活用しながら各自の技術思想の整理・再構築を図ることに主眼を置いた、実践的コースで構成されております。


（1）少人数で討論主体：
	受講者は予め提示された宿題に対する解答を用意し、本セミナーで相互にこれを発表した後、問題点を抽出して徹底的な討論を行う。尚、宿題、討議のいずれにおいても受講者所属組織の秘密情報の提出は強要しない。

（2）次代に向けたテーマ：
	次代の鉄鋼業に向けた課題をテーマとして選択する。答えを出すことが目的ではない。
（3）最高の講師陣：
	テーマに対する最高の専門家を講師として迎え、これら講師が関連する講義を担当しWG委員とともに討論の指導を行う。また、アシスタントとして大学若手研究者が討論に参加する。

第23回を下記のとおり開催いたしますので、奮って受講下さるようご案内いたします。

1．

期　日
2015年10月29日（木）～31（土）　集合日時：10月29日（木）8：15　　開始日時：同日8：30

2．

会　場
（株）ホテルKSP
（〒213-0012　神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1かながわサイエンスパーク（KSP）内
　電話：044-819-2211）

3．

内　容
次項以降に示す

4．

募集コースおよび内容

コース共通	基本的時間割　　基調講演
製銑コース	テーマ／講師・アシスタント／宿題／講義
製鋼コース	テーマ／講師・アシスタント／宿題／講義
圧延コース	テーマ／講師／宿題／講義

(注)	募集人員は、全コース合わせて30名程度です。応募者がきわめて少ない場合は、そのコースの実施を中止することがあります。また、応募者が多数の場合は、お断りすることがあります。

5．

参加資格
以下の条件をすべて満たしている方。

（1）	日本鉄鋼協会正会員。
（2）	国内に生産拠点を有する維持会員企業に属する企業社員国内に生産拠点を有する維持会員企業の推薦を受けた企業社員日本の大学に属する若手教員。
（3）	鉄鋼工学セミナー、同専科修了者または同等以上の経験・能力を有する方。
（4）	討論主体の本セミナーで積極的に発言できる方。本セミナーは知識を吸収する場ではなく、各々の知識を以て討論する場です。

6．

費　用

イ）金額(税込)

受講料：108,000円
食事代： 14,000円（5食分）

※	宿泊料及び朝食代は含まれておりません。宿泊につきましては、ハ）をご覧下さい。

ロ）送金方法

受講者が決定次第、請求書をお送りしますので、8月21日（金）までにご送金下さい。
8月22日（土）以降に申込みの取り消しをされても返金できませんので、予めご了承下さい。

ハ）宿　　泊

宿泊につきましては、受講者が決定次第、併せてご案内いたします。受講者各位でお申し込みいただき、料金をお支払いいただく形式となりますので、予めご了承下さい。

7．

申込締切日
2015年6月12日（金）期日厳守

8．

申込方法
申込は終了いたしました。

申込・問合せ先
(一社)日本鉄鋼協会　学会・生産技術部門事務局　育成グループ　楢岡
〒103-0025　東京都中央区日本橋茅場町3-2-10　鉄鋼会館5階
電話　03-3669-5933　FAX.03-3669-5934　E-mail：educact@isij.or.jp

●育成委員会鉄鋼工学アドバンストセミナーWG●

WG主査	前田　恭志	((株)神戸製鋼所技術開発本部材料研究所研究首席)
WG委員	野澤健太郎	((株)神戸製鋼所鉄鋼事業部門技術開発センター製銑開発部長)
	加藤　　徹	(新日鐵住金(株) 技術開発本部プロセス研究所製鋼研究部部長)
	木村　幸雄	(JFEスチール(株) スチール研究所圧延・加工プロセス研究部主任研究員)

■内　容

1．基調講演

題　目「圧延技術開発の可能性」
我国の圧延技術は、高度に発達し、世界を先導しているが、一方では、技術的飽和感あるいは閉塞感すら感じられるのが現状である。鉄鋼産業をめぐる世界環境は激変を続けており、圧延技術も、従来型体系の重要性は認めるとしても、それのみでは、持続的発展の確実性を想定し難い状況に直面している。本講演では、今後、圧延技術には何が求められるのか、如何なる道を目指すべきなのか、新たな可能性はどこにあるのか、などについて考察する。

講　師　木内　学（東京大学名誉教授、木内研究室代表）

2．コース
（1）製銑コース

テーマ「鉄鉱石将来動向に応じた焼結鉱適正品質設計と原料処理技術」
将来、鉄鉱石のリンやアルミナ等脈石成分の増加、微粉化といった原料劣質化が進むと予想される。一方で、高炉は大型化が進み還元材比低減に向けて、主原料である焼結鉱性状の向上を求めている。また、海外他社との国際競争力も必要である。そのような中、将来の焼結鉱の品質設計のあり方、その造り込み技術について方向づけすることは重要である。本コースでは将来の焼結鉱製造技術の目指すべき方向について議論することを目的とする。


講　師	葛西　栄輝	(東北大学大学院環境科学研究科教授)
	大山　伸幸	(JFEスチール(株)スチール研究所製銑研究部主任研究員)
アシスタント	大野　光一郎	(九州大学大学院工学研究院材料工学部門准教授)
○講義1	「凝結材の反応と焼結諸現象の制御」（葛西講師）
○講義2	「鉄鉱石資源を取り巻く環境と製鉄用原料製造技術の進歩」（大山講師）

○宿題：
	将来(～10年後)の原料動向を見すえ、高炉使用に適した焼成鉱品質設計について述べて下さい。そして、その造り込み技術において、課題と解決策を提示し、その技術確立に向けてのアプローチ案を示して下さい。 [キーワード] 資源問題、安価低廉原料、被還元性、CO₂問題

（2）製鋼コース

テーマ「製鋼工程における次世代高級鋼製造プロセス」
我が国の鉄鋼業が、アジアでの熾烈な競争に勝ち抜き、持続的に事業を発展させるためには、付加価値の高い高級鋼の品質の作り込み、および、製造コストの低減と生産性の維持向上を両立するプロセス確立が求められている。このためには、産学連携や企業間連携を意識しながら基礎研究や応用研究のレベルアップを図った上で、新たな高級鋼製造プロセスを確立していく必要がある。本セミナーでは、次世代（10～20年先）を見据えた製鋼工程のあるべき姿を構想し、高級鋼製造プロセスの進むべき方向性とそれを実現するために必要なブレークスルー技術について議論することを目的とする。


講　師	森田　一樹	(東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻　教授)
	轟　秀和	(日本冶金工業(株) 技術研究部次長)
アシスタント	鈴木　賢紀	(大阪大学大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻界面制御工学領域助教)
○講義1	「高級鋼製造のための熱力学」（森田講師）
○講義2	「高級鋼製造技術の現状と展望」（轟講師）

○宿題：
	「製鋼工程における次世代高級鋼製造プロセス」の関連文献をレビューし、次世代プロセスイメージを設定した上で、それを実現する際に顕在化すると考えられる課題を整理し、解決方法を示して下さい。また、大学に期待する研究テーマ案も合わせて提案して下さい。 [キーワード] 高純度鋼精錬方法、高清浄鋼製造方法、高級鋼の作り込み技術、歩留まりアップ、プロセス制御、プロセスモデリング

（3）圧延コース

テーマ「厚板圧延における次世代プロセス技術」
厚板は造船、建築、エネルギー関連設備などの幅広い用途に用いられる素材である。近年では、構造物の複雑化・大型化および使用環境の苛酷化が進み、さらに安心・安全設計が重要視される傾向にあり、厚板に要求される性能は高度化かつ複合化している。このような要求性能を満足するためには，精緻な材料設計技術とともに高度な製造技術が必須となってくる。また、中国をはじめとしたアジア諸国での厚板製造設備の新設、増強が進んでおり、国際競争はますます激化すると見込まれている。このような背景を踏まえ、厚板圧延における次世代プロセス技術について、将来あるべき姿を考え、今後求められる次世代の技術について議論する。


講　師	藤田　文夫	(東北大学名誉教授)
	岡崎　喜臣	((株)神戸製鋼所技術開発本部材料研究所主任研究員)
	青山　亨	(スチールプランテック(株) 技術本部板圧延技術部プロセス機器グループグループマネージャー)
○講義1	「圧延理論から見た厚板圧延の限界制約」（藤田講師）
○講義2	「高機能鋼板の組織制御技術の進展」（岡崎講師）
○講義3	「厚板レベラーの設備課題と近年の技術動向について」（青山講師）

○宿題：
厚板製造プロセス（圧延、熱処理、矯正など）において、圧倒的な付加価値商品（強度、材質特性、表面性状、寸法精度など）の開発、または格段のコスト低減（高生産性、省合金、省エネルギーほか）に向けて、現状での課題を抽出・整理し、理想的な新プロセス（あるいはその一部を成す要素技術）について発想し提案して下さい。

①課題の抽出・整理
②その課題に関連した技術レビュー（文献調査）
③理想的な新プロセス（要素技術）の提案