亜鉛めっき鋼板に代表される鉄鋼の表面処理技術において、めっき層のミクロ組織や諸特性を支配する因子の解明は、耐食性や耐剥離性などめっきのパフォーマンスの向上にとって重要である。しかし、現在この分野は、モノづくりに直結する応用研究に比べ基礎研究が立ち遅れている。近年、自動車の軽量化や環境調和性の要求から基礎に立ち返った新技術の開発が求められると同時に、微細加工、電子顕微鏡、ミクロ組成分析等において著しい技術の進展もあり、基礎研究への取り組みの機運が高まっている。

このような観点から、本特集号では、亜鉛および亜鉛合金めっき鋼板における最先端技術と科学研究に関する最新の研究成果やレビュー論文等を幅広く募集する。なお一般公募論文に加えて、本特集号では第11回亜鉛および亜鉛系表面処理鋼板に関する国際会議「11th International Conference on Zinc and Zinc Alloy Coated Steel Sheet in Tokyo (Galvatech2017 Tokyo)」（2017年11月12日−16日開催）で発表された優れた論文についても投稿を勧誘する。