日本鉄鋼協会 研究会II「水素脆化評価法に必須の要素技術の抽出研究会」最終報告会 シンポジウム

 本研究会は2022年度に発足し,高強度鋼の水素脆化破壊の実態解明,および水素脆化評価法に必須の要素抽出を目的に,8研究機関と4企業で連携して研究を進めてきました。潜伏期を含めた水素脆化の進行過程において,材料内で生じる現象を各要素に分割して,新たな実験・解析手法および計算科学を用いて,原子スケールからの理解に取り組んできました。また,共通試験片を低ひずみ速度引張試験,定荷重試験,疲労試験で評価し得られたそれぞれ特有の現象について,実態解明で得られた知見を基に考察してきました。これら3年間の成果を報告します。鉄鋼材料と水素に関わる最先端の研究成果を共有化し,理解を深め,科学的および工学的な重要度が益々増加している水素脆化研究に残された課題,さらには今後の新たな展開を見据えた総括的な討論も実施する予定です。

日時: 2025年9月18日(木)9:20~15:20
場所: 北海道大学 札幌キャンパス
高等教育推進機構 3階 E301(第190回秋季講演大会 会場9)
〒060-0808 北海道札幌市北区北8条西5丁目
地図・交通アクセス
資料: 9月2日に公開される講演大会ポータルサイトからダウンロードできます。
参加費: 無料
申込方法:

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プログラム:

9:20-9:30 研究IIの概要説明
高井健一(上智大)
第1部 水素脆化破壊の潜伏期からき裂発生までの水素-転位-原子空孔の挙動は?
座長:大村朋彦(日本製鉄)
9:30-10:00 「鉄における空孔集合体形成およびき裂進展過程のTEM による研究」
荒河一渡(島根大)
10:00-10:30 「純鉄中水素関与欠陥のオペランド計測と焼戻しマルテンサイト鋼の水素脆化粒界破面直下の欠陥計測」
藤浪眞紀(千葉大、現上智大)
10:30-11:00 「bcc鉄中の水素−刃状転位−原子空孔相互作用:Dragging/Depinning/Twinning 応力と遷移条件」
松本龍介(京都先端科学大)
第2部 水素脆化破壊に至るき裂発生からき裂進展・破壊までのプロセスは?
座長:河盛誠(神戸製鋼所)
11:10-11:40 「マルテンサイト鋼のクラック発生・伝播挙動とマクロ破壊特性の相関」
〇柴田曉伸、Ivan Gutierrez-Urrutia、中村晶子、諸永 拓、岡田和歩、原 徹(NIMS)
11:40-12:10 「純鉄の水素脆化破壊の素過程とは?:原子シミュレーションによる評価」
武富紳也(佐賀大)
12:10-12:40 「フェライト鋼における水素ガス誘起疲労き裂進展 ~現象論と潜在機構~」
〇小川祐平(NIMS)、髙桑脩(九州大)、柴田曉伸(NIMS)
昼食
第3部 高強度鋼の各種水素脆化評価法で得られる現象の理解は?
座長:髙木周作(JFEスチール)
13:40-14:10 「焼戻しマルテンサイト鋼の引張試験で得られる弾性・塑性域水素脆化破壊の実態解明」
奥野一樹(上智大院)、齋藤圭(上智大院、現NIMS)、〇高井健一(上智大)
14:10-14:40 「引張試験から理解できる他手法で評価された水素脆化試験の結果」
〇小山元道、益田遥太(東北大)
14:40-15:10 「水素陰極チャージによる高強度マルテンサイト鋼の疲労寿命低下とその影響因子」
松永久生(九州大)
15:10-15:20 総合討論
問合せ先:

上智大学 高井健一
E-Mail:takai-k@sophia.ac.jp