2022年度 材料セミナーのご案内

主催:(一社)日本鉄鋼協会関西支部、(公社)日本金属学会関西支部
※ テーマ2については、各東海支部様と共催

テーマ1:「放射光による組織観察・分析の基礎と応用」
開催日時:2022年10月27日(木)13:00~17:30

テーマ2:(関西支部・東海支部 共催セミナー)
「材料科学におけるマテリアルズ・インフォマティクスの最近の発展」

開催日時:2022年11月14日(月)13:30~17:00

テーマ3:「技術者のための鉄鋼材料入門」
開催日時:2022年11月29日(火)10:30~17:00

テーマ1:「放射光による組織観察・分析の基礎と応用」

開催日時:2022年10月27日(木)13:00~17:30

開催場所:SPring-8 放射光普及棟 大講堂(兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1)

プログラム
13:00~13:30
SPring-8放射光による軽金属材料の組織観察と機械的性質の解析 (兵庫県大 足立先生)
13:30~13:40
質疑応答

(休憩)

13:50~14:20
SPring-8放射光による鉄鋼材料とNi合金の組織と機械的性質の解析 (兵庫県大 鳥塚先生)
14:20~14:30
質疑応答

(休憩)

14:40~15:10
ニュースバル放射光施設における構造解析・化学分析の基礎およびこれらの産業利用事例(兵庫県大 渡邊先生)
15:10~15:20
質疑応答

(休憩)

15:30~16:20
SPring-8見学
16:40~17:20
New SUBARU見学
17:20~17:30
総合質疑・応答
【内容】

SPring-8の実験サイトには、硬X線領域の大型放射光施設SPring-8および軟X線領域の中型放射光施設ニュースバルがあり、両X線領域でリサーチコンプレックスを構築しています。放射光はほぼ光速で直進する電子が電磁石や永久磁石によりその進行方向が曲げられた際に発生する電磁波であり、高輝度で、細く絞られ、赤外線からX線までの広い波長領域を含みます。この利用範囲は、生命科学、物質科学から医学産業まで広範囲であり、物質科学領域では先端材料の原子・電子の構造、極端条件下の材料物性、産業材料の評価、新物質創製などに用いられています。

硬X線領域の放射光は高輝度のため、透過力が高く、X線回折に用いると、重い元素である金属材料の厚さを薄くすれば透過X線回折が可能になります。従来のラボX線回折装置では試料表面のごく浅い領域からの情報であったのに対し、この領域の放射光は材料の板厚全体からの情報を得ることができます。一方、軟X線の領域では炭素材料等の軽元素の電子の結合エネルギーを測定することで化学分析が、そして共鳴散乱法を用いることで構造解析が可能になります。今回のセミナーでは、SPring-8とニュースバルという2つの放射光施設を利用した材料の組織観察・分析の基礎と応用、さらには、次世代半導体用微細加工技術等の産業利用についても言及致します。

講師
兵庫県立大学大学院 材料・放射光工学専攻 教授 鳥塚史郎 先生
兵庫県立大学大学院 材料・放射光工学専攻 教授 足立大樹 先生
兵庫県立大学 学長特別補佐 高度産業科学技術研究所長特別補佐
極端紫外線リソグラフィ研究開発センター長 教授 渡邊健夫 先生
募集人員
20名
参加費
会員20,000円、非会員30,000円、学生2,000円(消費税込み)

テーマ2:(関西支部・東海支部 共催セミナー)
「材料科学におけるマテリアルズ・インフォマティクスの最近の発展」

開催日時:2022年11月14日(月)13:30~17:00

開催場所:大阪科学技術センター 4階404号室(大阪市西区靱本町1-8-4)

プログラム
13:30~14:00
機械学習の基礎 (大阪公立大 上杉先生)
機械学習の流れ、過学習、各種アルゴリズム、機械学習の注意点
14:00~14:15
質疑応答
14:15~14:45
機械学習の実践事例紹介
1) 機械学習を用いた材料製造プロセスの効率化
2) 第一原理計算と機械学習を用いた合金設計
3) 深層学習による材料検査の自動化
14:45~15:00
質疑応答

(休憩)

15:15~15:45
材料画像工学(コンピュータによる組織認識・定量解析・組織創成)の概要 (名古屋大 足立先生)
1) 深層学習による物体認識
2) 形態解析の基礎
3) シミュレーション及び敵対的生成ネットワーク(GAN)によるフェイク画像創成
15:45~16:00
質疑応答
16:00~16:30
適用例紹介
16:30~16:45
質疑応答
16:45~17:00
総合質疑・応答
【内容】
データサイエンスは、機械学習、深層学習、順・逆解析、データ同化、コンピュータビジョン、フェイク画像創成など、材料工学の広範囲で活用が検討されています。そのため、ここ数年でデータサイエンスの手法を材料工学分野に応用したマテリアルズ・インフォマティクスが注目を集めてきました。しかし、データサイエンスの解説書は巷に溢れていますが、実際に材料の課題にどのように適用すればよいのかという情報は乏しいのが現状です。そこで、本セミナーでは、機械学習、深層学習の技術を簡単に解説し、講師がこれまで進めてきた研究成果をもとに、具体的な適用事例として、材料製造プロセスの効率化、第一原理に基づく合金設計へのデータサイエンスの適用および、材料組織画像の認識・解析・創成へのデータサイエンスの適用について講義します。特に企業からの聴講者には、マテリアルズ・インフォマティクスを実際の企業における材料開発・製造に応用可能であるかの基礎を理解してもらえると考えています。
講師
名古屋大学大学院 工学研究科 材料デザイン工学専攻 教授 足立吉隆 先生
大阪公立大学大学院 情報学研究科 学際情報学専攻 准教授 上杉徳照 先生
募集人員
50名
参加費
会員18,000円、非会員25,000円、学生2,000円(消費税込み)

テーマ3:「技術者のための鉄鋼材料入門」

開催日時:2022年11月29日(火)10:30~17:00

開催場所:大阪科学技術センター 4階404号室(大阪市西区靱本町1-8-4)

プログラム
10:30~12:00
鉄鋼材料基礎 ~鉄鋼材料の魅力とその科学 (京都大 辻先生)
10:30-11:00 金属材料、鉄と鋼の基礎
11:00-11:15 質疑応答
11:15-11:45 鉄鋼材料における組織形成と力学特性の基礎
11:45-12:00 質疑応答

(昼休み)

13:15~14:45
鉄鋼材料の力学特性 ~変形の基礎と高強度鋼 (千葉工大 寺田先生)
13:15-13:45 鉄鋼材料の力学特性
13:45-14:00 質疑応答
14:00-14:30 鉄鋼材料の組織制御と高強度鋼
14:30-14:45 質疑応答

(休憩)

15:00~16:30
鉄鋼の熱処理と相変態 ~拡散変態とマルテンサイト変態 (物材機構 柴田先生)
15:00-15:30 相変態の基礎Ⅰ (拡散変態)
15:30-15:45 質疑応答
15:45-16:15 相変態の基礎Ⅱ (マルテンサイト変態)、相変態を利用した熱処理方法
16:15-16:30 質疑応答
16:30~17:00
総合質疑・応答
【内容】
現代社会を構成する基盤として、金属を中心とする構造材料は極めて重要です。そして社会および科学技術の高度化と安全性向上のため、構造材料の力学特性に対する要求はますます厳しくなっています。構造用金属材料の中で鉄鋼材料は圧倒的な使用量を占めますが、その魅力は、極めて幅広い力学特性(強度、延性、靭性など)を実現できる点にあります。鉄鋼材料においては種々の相変態や再結晶などの固相反応によってナノ・ミクロ組織が様々に変化し、それに伴って力学特性を自在に制御することができるのです。本セミナーは、鉄鋼の熱処理、組織と力学特性に興味があるが大学の材料工学(金属工学)系学科での系統的な講義を受けていない企業の若手・中堅研究者および学部学生・大学院生のほか、学生時代に講義を受けたが再度学習したい方々を対象とし、鉄鋼材料への理解を深めていただくことを意図した基礎講座です。「(1)鉄と鋼の基礎とその魅力」から説き起こし、「(2)金属結晶の変形と鉄鋼の力学特性」を講義したのち、幅広い力学特性を生じる元となる「(3)加工・熱処理に伴う鉄鋼材料の様々な相変態」を解説します。
講師
京都大学大学院 工学研究科 材料工学専攻 教授 辻 伸泰 先生
千葉工業大学 工学部 先端材料工学科 准教授 寺田大将 先生
物質・材料研究機構 構造材料研究拠点 グループリーダー 柴田曉伸 先生
募集人員
50名
参加費
会員20,000円、非会員30,000円、学生2,000円(消費税込み)

申込要領

下記の申込用紙をダウンロード、必要事項を記入の上、電子メール(n-kansai@ostec.or.jp)、あるいはFAX(06-6443-5310)でお申込み下さい。
申込は先着順とします。締切りは各コース開催の1カ月前と致します。尚、お申込み期間内であっても各コース定員になり次第、受付は終了致しますのでご了承下さい。
参加費のお振込先については後日連絡致します。所属機関が法人会員であれば個人会員でなくても会員扱いとします。

申込用紙ダウンロード(Wordファイル)

会場案内図

【お申込み・問合せ先】
〒550-0004 大阪市西区靱本町1-8-4
(一財)大阪科学技術センター  ニューマテリアルセンター内
(一社)日本鉄鋼協会(公社)日本金属学会関西支部 材料セミナー係
Tel:06-6443-5326 Fax:06-6443-5310 E-Mail:n-kansai@ostec.or.jp