第245・246回西山記念技術講座
「失敗しない評価・分析・解析技術の最前線(不確定要素の理解と適切な手法の選択に向けて)」(事前申込締切:2022年10月17日)

講座の視点

分析・観察手法による結果には不確定要素(誤差)が含まれており、その要因として、統計的ばらつき、前処理(サンプリング)、測定結果の解析法(基礎的な理解不足から陥る誤りなどによる)、既存技術における盲点などがある。真の値や組織・構造情報を得る際には、それらの誤差要因を認識しておくことは非常に重要である。本講座では、各種分析・観察技術の技術進歩に触れながら、陥りやすい誤りにも焦点を当てる。さらに適切な手法の選択に向けた考え方を述べる。このため、聴講者としては分析研究者・技術者のみならず材料・プロセス部門の研究者・技術者の参加も歓迎する。
協賛(50音順)
(公社)応用物理学会、(公社)化学工学会、(公社)計測自動制御学会、(一社)資源・素材学会、(一社)電気学会、(一社)特殊鋼倶楽部、(公社)土木学会、(一社)日本機械学会、(公社)日本技術士会、(公社)日本金属学会、(一社)日本建築学会、(公社)日本材料学会、(一社)日本塑性加工学会、日本中性子科学会、(一社)日本熱処理技術協会、(公社)日本表面真空学会、(公社)日本分光学会、(公社)日本分析化学会、(一社)表面技術協会、(一社)表面分析研究会、(公社)腐食防食学会、物質・材料研究機構、(一社)溶接学会
1.日時・場所
第245回:2022年11月7日(月)9:30~16:30(受付時間:9:00~15:00)
【大阪】CIVI研修センター新大阪東 5階E5Hall(大阪市東淀川区東中島1-19-4 新大阪NLCビル)
第246回:2022年11月14日(月)9:30~16:30(受付時間:9:00~15:00)
【東京】早稲田大学西早稲田キャンパス 63号館2階会議室(東京都新宿区大久保3-4-1)
*新型コロナウイルス感染症の感染状況によっては、11月14日のオンライン開催のみとなる場合がございます。あらかじめご了承下さい。その場合11月7日の参加申込は、自動的に11月14日に振替となります。変更する際はWebサイトにてお知らせいたします。
2.講演題目及び講演者、司会者

司会者:鈴木 茂(東北大学)

1) 9:30~10:00
測定値の不確かさ

京都大学 大学院工学研究科 教授 河合 潤

2) 10:00~10:45
失敗しない化学分析技術~一歩先の化学分析を目指して~

元JFEテクノリサーチ(株) 吉川 裕泰

3) 10:45~11:30
最近の析出物・介在物分析技術の進歩

日本製鉄(株)技術開発本部 先端技術研究所 解析科学研究部 主幹研究員 板橋 大輔
日鉄テクノロジー(株)研究試験事業所 技術営業部長 水上 和実

司会者:藤浪 真紀(千葉大学 大学院工学研究院 教授)

4) 12:30~13:15
失敗しない顕微解析のために

九州大学 大学院工学研究院 教授 金子 賢治

5) 13:15~14:00
構造解析技術の最前線

日本製鉄(株)技術開発本部 先端技術研究所 解析科学研究部 課長 村尾 玲子

6) 14:00~14:45
軟X線発光分光法で要求される試料前処理技術と応用分析事例

日本電子(株) SA事業ユニット スペシャリスト 髙倉 優

司会者:河合 潤(京都大学)

7) 15:00~15:45
表面解析技術の最近の進歩

東北大学 マイクロシステム融合研究開発センター 教授  鈴木 茂

8) 15:45~16:30
環境分析における現場レベルの事例紹介

(株)コベルコ科研 技術本部 技術統括部長 倉谷 聡

3.講演内容
1)測定値の不確かさ
河合 潤
分析値を報告する場合、平均値とともに「不確かさ」や測定誤差などを報告しなければならないことになっている。標準偏差σや不確かさσ/√Nは測定精度や真値への近さを示す指標であるが、σとσ/√Nとではその意味も、また分析対象(アナライト)も異なることから、誤差や不確かさの使い分けを解説する。1回だけの測定は、統計学的に軽視されがちであるが、1回だけの計測の重要性と、外れ値の重要性についても説明する。試料量・分析面積と、測定精度との関係や、測定におけるランダムなサンプリングの重要性についても説明し、マイクロ分析(試料の総量が少量の分析)の定量精度がバルク分析に比べて悪くなる理由や、トレース分析(低濃度の分析)に要求される試料量との関係についても解説する。
2)失敗しない化学分析技術~一歩先の化学分析を目指して~
吉川 裕泰
化学量論的な取り扱いが可能な化学分析は分析技術の基本である。化学分析の役割は種々ある。鉄鋼製造における分析は、経済性の追求から省力化・自動化および迅速化が進められ、発光分光分析、蛍光X線分析をはじめ各種の機器分析が生産現場における主流となっている。この機器分析の底辺を支えているのが化学分析の役目の一つである。さらに機器分析では対応困難な試料の分析も化学分析で実施されているのが現状である。
本講座では、「失敗しない化学分析技術」と題して基本事項を振り返り、さらにこれまでの発展と今後の展望について講演する。具体的には試料採取、溶解、分離および検出など一連の分析工程における各技術を紹介する。さらに得られた分析結果の評価方法などにも言及する。また、分析を利用する技術者のための心得などについても講演を予定している。
3)最近の析出物・介在物分析技術の進歩
板橋 大輔、水上 和実
鉄鋼材料中に存在する析出物・介在物はその存在形態、粒子径、個数(量)によって、鋼の機械的特性に多大な影響を及ぼすことが知られており、これらを対象とした分析技術は鉄鋼材料開発のツールとして必要不可欠なものとなっている。近年では求められる機械的特性の高度化に伴い、分析対象はより複雑化している。本講座では、1980年代に開発された状態・形態別分析技術(化学的抽出分離法、電気化学的抽出分離法、化学的エッチング技術、各種分析法と組み合わせた状態・形態別分析技術等)をレビューするとともに、2000年以降に開発された新しい析出物・介在物分析技術など各種分析・観察技術の技術進歩に触れながら、研究者が陥りやすい誤りにも焦点を当てるとともに、適切な手法の選択に向けた考え方を述べる。
4)失敗しない顕微解析のために
金子 賢治
日常的に用いられている装置や機器の安定した動作を保証するためにも、それらに対し耐久性や信頼性を高めることが常日頃から求められている。材料の特性は、その内的要因や外的要因に影響を受けることから、それを向上・改善するためにはいつの時点で、何処に、どの元素が、どの様に、どうして分布しているかを知る必要がある。
電子顕微鏡を用いる場合、微構造を解析することを第一の目的としているため、局所や限られた箇所を拡大し、観たい組織を見ているのが現状である。「木を見て森を見ず」、とはよく言ったものであるが、「森を見て木を見ず」、もまた事実である。本講演では、微構造解析を行うにあたり、陥りやすい失敗などについて紹介する。
5)構造解析技術の最前線
村尾 玲子
材料のキャラクタリゼーションや反応挙動解析では、組成や組織に加え構造解析技術が欠かせない。特に、製銑工程で扱う原燃料やスラグなどの副生成物は不均質で、構造が複雑な化合物を含む。非晶質も含まれるので、回折法と分光法などの複数の解析手法を組み合わせて相補的に解析することが求められる。
本講座では、構造解析に広く用いられているX線回折法および電子線後方散乱回折法の最新動向および最新技術として、回折コントラストトモグラフィー(DCT)、X線吸収分光とトモグラフィー法を組み合わせたXAFS-CTなどの放射光を利用した3次元組織解析技術を紹介する。また、粉末X線回折法を用いた定量解析において注意すべき点としてマイクロアブソープション効果について取り上げる。
6) 軟X線発光分光法で要求される試料前処理技術と応用分析事例
髙倉 優
軟X線発光分光器(SXES)は、走査電子顕微鏡(SEM)や電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)に装着し、主に元素の価電子帯近傍の遷移に基づく特性X線を計測し、微小領域における試料の化学結合状態を計測するのに適した装置である。主に検出する信号は軟X線領域であり、X線発光効率を上げるために低加速電圧で分析を行うので、バルク試料の信号検出深さは通常のEPMAより浅く、試料の前処理の良し悪しが分析結果に大きく影響する。本講演では軟X線発光分光法の基礎から、様々な試料前処理(機械研磨、イオンエッチング、導電性コーティング、あるいは非曝露試料の取り扱いなど)さらには、応用分析事例についても紹介する。
7) 表面解析技術の最近の進歩
鈴木 茂
表面解析技術は、金属や合金などの固体試料における表面や界面の薄い領域(主に1μm以下)での元素分布、それと組織との対応を調べるのに有用であり、鉄鋼分野の中間的素材や各種鋼材の表面や界面を評価するのにも用いられる。本講座では、X線光電子分光法、二次イオン質量分析法などの表面解析法について取り上げ、それらの測定原理、標準化動向、応用例などについて述べる。また、固体試料の特性発現の機構を明らかにするには、元素分布や化学組成だけでなく、構造や組織などの情報も重要であり、たとえば化学式が同じであっても構造や組織が異なる物質(構造異性体をもつ物質)もある。このため、異なる手法を横断的に利用し解析することにより特性発現機構などに迫ることもあるので、それらの例についても紹介する。
8) 環境分析における現場レベルの事例紹介
倉谷 聡
環境分析では、JISなどの公的規格に従うものが多いが、失敗しない測定・分析を実施するために、公的規格で規定されていない現場レベルでのノウハウや、創意工夫が数多くある。本講演では、これらの事例として、ばい煙測定における試料採取器具の最適化、有害大気汚染物質測定の試料採取機器選定時の留意点、含油廃棄物分析の前処理で有効な有機物分解法、分析装置から報告書作成までの自動化を適用した内容について紹介する。
4.参加申込み
[申込方法]
本会Webサイトからの事前申込のみとします。当日参加受付は行いません。
※定員になり次第、締切とします。 こちらの申込フォームに入力し、送信して下さい。
申込フォーム
[支払い方法]
①クレジットカードのオンライン決済 または、②郵便振替 のいずれかの方法で、事前の入金をお願いします。
※請求書の発行は致しません。
[締め切り]
申込、入金ともに10月17日(月)までに完了するようお願いします。
  • ※入金の確認後、開催約1週間前にテキストと領収証を送付します。
  • ※ご入金後の返金および当日不参加の場合の返金はいたしませんので、ご了承下さい。
5.参加費(税込み、テキスト付)
会員8,000円、一般15,000円、学生会員1,000円、学生一般2,000円
注)会員割引は個人の会員のみ有効です。協賛団体の個人会員、学生会員も含みます。
*非会員でご参加の方で希望される方には、下記会員資格を進呈します。(入会方法は別途ご案内いたします。)
・一般(15,000円)で参加 ⇒ 2023年12月までの準会員資格
・学生一般(2,000円)で参加 ⇒ 2023年12月までの学生会員資格

★テキストは、講座終了後残部がある場合、鉄鋼協会会員価格、一般価格で販売いたします。
テキスト購入のお申込みは、出版図書案内 をご覧下さい。

問合せ先:(一社)日本鉄鋼協会 育成グループ
E-mail: educact@isij.or.jp

会場案内

大阪会場 11/7(月)
大阪会場の地図

CIVI研修センター新大阪東 5階E5Hall
(大阪市東淀川区東中島1-19-4 新大阪NLCビル)
 JR線:「新大阪」駅下車 東口から50m
 地下鉄:地下鉄御堂筋線「新大阪」駅から徒歩5分
 http://www.civi-c.co.jp/access.html

東京会場 11/14(月)
東京会場の地図

早稲田大学西早稲田キャンパス 63号館2階会議室
(東京都新宿区大久保3-4-1)
JR線:高田馬場駅より徒歩15分
西武線:高田馬場駅より徒歩15分
地下鉄:副都心線西早稲田駅直結、東西線早稲田駅より徒歩22分
https://www.waseda.jp/top/access/nishiwaseda-campus

※講座案内のチラシはこちらからダウンロード出来ます。