第259・260回西山記念技術講座
「カーボンニュートラル社会を実現する高機能鉄鋼材料~磁性材料開発の最前線~」
(申込締切:2026年4月24日)
【講座の視点】
近年地球温暖化への対応が喫緊の課題であり、社会インフラ・モビリティといった分野におけるカーボンニュートラルの実現が急務となっている。鉄鋼の機能材料である磁性材料はグリーンエネルギー変換に不可欠な要素であり、その実現に重要な役割を担っている。
本講座では磁性材料の近年の開発動向を俯瞰するとともに、適用例として次世代モビリティやパワーエレクトロニクスの領域でどのように活用されているか、また開発の方向性も明らかにする。さらに構成する各種磁性材料(軟磁性・磁石)の開発動向についても理解を深める機会とする。鉄鋼技術者のみならず、モビリティ・インフラに関わるメーカー技術者の方にも聴講いただきたいと考える。
| 日時・場所: |
第259回(東京):2026年5月25日(月)9:50~17:30 受付時間:9:10~16:40 第260回(大阪):2026年6月15日(月)9:50~17:30 受付時間:9:10~16:40 |
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| プログラム: | |
| 参加申込み: 【3月初旬開始予定】 |
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| 参加費 (税込み、テキスト付): |
会員8,000円、一般15,000円、学生会員1,000円、学生一般2,000円 注)会員割引は個人の会員のみ有効です。協賛団体の個人会員、学生会員も含みます。 *非会員でご参加の方で希望される方には、下記会員資格を進呈します。 ★テキストは、講座終了後残部がある場合、鉄鋼協会会員価格、一般価格で販売いたします。 |
(一社)日本鉄鋼協会 育成グループ
E-mail:educact@isij.or.jp
講演題目及び講演者、司会者
| 9:40-9:50 | 趣旨説明 | 座長:宮脇 寛(大同特殊鋼) |
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| 9:50-11:00 | 1) 「磁性材料学の基礎」 東北大学 副理事・名誉教授・特任教授(大学院工学研究科) 杉本 諭 |
| 11:00-12:00 | 2) 「電動車に求められる磁性材料」 トヨタ自動車(株) 電動化環境材料技術部 電動化材料開発室 主幹 一期崎大輔 |
| 12:00-13:00 | 3) 「次世代パワーエレクトロニクスに向けた軟磁性材料の研究開発」 東北大学 多元物質科学研究所 副所長 岡本 聡 |
| 座長:杉本 諭(東北大学) | |
| 13:50-14:40 | 4) 「方向性電磁鋼板の開発と材料特性」 JFEスチール(株) スチール研究所 電磁鋼板研究部 主査研究員 山口 広 |
| 14:40-15:30 | 5) 「無方向性電磁鋼板の高機能化に関する最近の動向」 日本製鉄(株) 技術開発本部 鉄鋼研究所 電磁鋼板研究部 無方向性電磁鋼板研究室 上席主幹研究員 脇坂 岳顕 |
| 15:50-16:40 | 6) 「液体急冷アモルファス・ナノ結晶軟磁性合金リボンのこれまでの開発と今後の発展」 島根大学 次世代たたら協創センター 太田 元基 |
| 16:40-17:30 | 7) 「ネオジム磁石の技術開発動向と今後の展望」 大同特殊鋼(株) マテリアルソリューション部 第3カスタマークリエーション室長 宮脇 寛 |
講演内容
1)磁性材料学の基礎
杉本 諭
磁性材料は各種エネルギーを変換させる材料として、数多くの機器や製品、例えば、電気を生み出し、送るための発電機や電力変換用トランス、電気自動車などに代表される各種モータ、大容量デバイスとして使われるハードディスク、汎用モバイルデバイスである携帯電話、などで利用され、私たちの生活を豊かにしている。すなわち磁性材料における高性能化や新材料の開発は、用いられる製品の小型化・高性能化・省エネルギー化に直結して社会の大きな変革を生み出すため、今後のカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーを視野に入れた環境調和型社会の実現には欠かすことができない材料となっている。本講演では、これら磁性材料における磁性の起源と様々な基本的な特性について解説する。
2)電動車に求められる磁性材料
一期崎大輔
カーボンニュートラルの実現に向け、世界各国において電動車の導入が急速に進展している。電動パワートレーンは、車両の安全性確保に加え、燃費・電費および航続距離に直接的な影響を及ぼす中核技術であり、各社による技術開発競争は一層激化している。
本発表では、電動パワートレーンの高効率化および小型化において鍵となる磁性材料に着目し、これまでの研究開発の歩みを概観するとともに、今後の電動車に求められる磁性材料への期待について展望する。
3)次世代パワーエレクトロニクスに向けた軟磁性材料の研究開発
岡本 聡
軟磁性研究は100年以上の歴史を有する分野であるが、近年のパワーエレクとニクス技術の進歩に十分に対応できておらず、小型化・高周波化が進む次世代パワーエレクトロニクス技術のボトルネックとなりつつあるのが現状である。また軟磁性研究における基礎研究も過去30年ほど停滞した状況となっており、低周波駆動の時代に確立された損失理論や経験則が使われ続けている。本講演では、高周波駆動に向けた基礎研究の重要性、損失の高精度計測、新たな低損失化アプローチ、AI技術を活用した材料開発の現状、などについて紹介する。
4)方向性電磁鋼板の開発と材料特性
山口 広
地球温暖化防止のための省エネルギー化への取り組みの一方で、再生可能エネルギーの主力電源化やクラウドコンピューティングやビッグデータ・AI活用に伴うデータセンター等における電力需要の増加が見込まれ、変圧器等の電力変換機器の鉄心に使用される方向性電磁鋼板への注目度はますます高まっている。
方向性電磁鋼板の製造においては、{110}<001>いわゆるGoss方位を有する結晶粒を優先的に成長させる二次再結晶のための析出物制御および集合組織制御に加え、磁気特性向上のための人工的な磁区制御、さらには高度な表面制御の4つが重要であり、それらの概要を解説するとともに、単結晶に近い結晶組織に基づくユニークな材料特性や、変圧器鉄心として使用される環境下での磁化挙動や振動解析などの話題について紹介する。
5)無方向性電磁鋼板の高機能化に関する最近の動向
脇坂 岳顕
無方向性電磁鋼板(NO)はモータや発電機の鉄心材料として使用され、国内電力消費の約半分を占めるモータの高効率化が重要視されている。近年はCO2排出削減のため自動車の電動化が加速し、IEAによれば2035年には世界で販売される自動車の半数が電気自動車になる見込みである。これに伴い、モータの需要増加や小型・高出力化などの性能向上が求められ、NOにも生産量の増加と特性改善が期待されている。本稿では、NOの特性を決定する因子を再整理し、電動化の進展に伴う多様なニーズに対応する新機能電磁鋼板の開発について紹介する。
6)液体急冷アモルファス・ナノ結晶軟磁性合金リボンのこれまでの開発と今後の発展
太田 元基
近年、SiCなどのパワー半導体が汎用化され、コア(軟磁性)材料への要求特性も高くなってきている。高出力を得る方法として、高飽和磁束密度化だけではなく、高周波化がキーワードとなりつつある。高度な要求を両立できる候補材料として、液体急冷法で製造されるFe基アモルファスリボンおよびFe基ナノ結晶リボンが注目されている。液体急冷リボンは薄さとナノ構造のランダムネス(構造不規則性)などの特徴を有しており、薄いことで、渦電流損失の発生を抑制でき、ランダムネスは磁気的な軟らかさ、すなわち磁場磁界に対する速やかな追従性を可能にしている。これにより、高周波下でも損失が低く抑えられ、高い出力密度の電力変換が可能となる。本講座では、液体急冷合金のこれまでの開発動向と今後の展開について紹介する。
7)ネオジム磁石の技術開発動向と今後の展望
宮脇 寛
地球温暖化への対応が喫緊の課題であり、自動車産業において、特に欧州、中国、米国等において電動化比率が大きく上昇している。電動車の鍵を握る技術分野の一つとしてモータがある。現状、車載用モータには永久磁石であるネオジム磁石が多く使われており、その高磁気特性化がモータの高機能化に大きく寄与してきた。本講座では、ネオジム磁石の磁気特性向上に関するこれまでの考え方および取り組みについて述べ、今後のモータのイノベーションに貢献するネオジム磁石の形状・配向制御技術について紹介する。また、カーボンニュートラルの実現を考えた場合に重要となるネオジム磁石製造時の二酸化炭素排出低減に関する取り組みについても紹介する。
会場案内

早稲田大学 西早稲田キャンパス 63号館2階会議室
(東京都新宿区大久保3-4-1)
JR線:高田馬場駅より徒歩15分
西武線:高田馬場駅より徒歩15分
地下鉄:副都心線西早稲田駅直結、東西線早稲田駅より徒歩22分
https://www.waseda.jp/top/access/nishiwaseda-campus

CIVI研修センター新大阪東 7階E705会議室
(大阪市東淀川区東中島1-19-4 LUCID SQUARE SHIN-OSAKA)
JR:「新大阪駅」駅下車 東口から50m
地下鉄:御堂筋線「新大阪駅」駅から徒歩5分
http://www.civi-c.co.jp/access.html
※講座案内のチラシはこちらからダウンロード出来ます。

